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路上のガラス
2009-11-21 Sat 02:27
なんかの課題で発表した奴。
このまま埋もれさせるのは何かもったいなかったので出してみる。
因みにとある法則性があったりなかったりするんで、探してみると面白いかも。
いやまぁ、多分すぐばれるけど。
いつも通っている、夕方の大通りで
路上販売をやっていた。
はたと足を止めてみた私は
ニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべる、
頬のこけた店主が開くその店に、何となく興味を持った。
「変なものばっかり置いてるね」
とりあえず、挨拶代わりに店主に話しかけてみた。
「理解できる奴だけが、そういうもんだと承知して買ってくのさ。アンタはそうかな?」
「ぬ、そう言われると買いたくなるね」
ルーツすらわからないような品物を、一つ一つ品定めする。
「…おっと、アブナイ品もあるから気をつけなよ、特にそれとか」
私のすぐ目の前にある、ガラスの塊に彼が指を向ける。
「ガラス…なんだがね、そいつをじっと見つめていると、別の世界に行けるらしいぜ」
「与太話だろう、そんなもの」
大体、なんだってこんなガラスの塊を売っているのだろう。
冷静に考えたって、そんな事ありはしない筈だ。
それを手に取り、店主に突きつける。
「つまり、あんたはそうやって私をだまして高い金をふんだくろうと?」
ねっとりとした店主の視線を受けながら、私は自信満々に言い放つ。
「なら、危ないなんて言わないさ。そもそもそいつを薦めてる訳じゃないんだぜ?」
楽に私の言葉を受け流す、その店主の態度が鼻につく。
ムカつく、という奴だ。私は、彼に乗せられていたのだろうか。
「…胡散臭い奴だな、あんたは。それじゃあ、私がそれを試してやろうか?
いや、あんたは拒否する筈だ。嘘がばれちゃ不味いからな」
乗ってやろうと思った。それで、嘘をばらしてやる。
「…面白いけど、それは今此処でそいつを買うって事かい?」
口調はそのままに、店主の口が更にいやらしい笑みを形作る。
「や、違う。一度、無料でそれを試すんだ。見つめるだけだ。金は要らないだろう?」
「…まぁ、いいさ。一度だけだ。二度目からは金取るよ?」
「結構だ」
ふ、と店主がため息とともに苦笑、そしてガラスの塊を差し出す。
これの中に、別の世界があるなんて、ある訳がない。
永遠に見つめてたっていいさ、こんなもの。そう思って、私は見つめた、次の瞬間。
手に手を捕まれた。見えない手だ。
あっという間に、私の右手はガラスの中に引き込まれ、次に肩が吸い込まれる。
さっきまでにやけていた店主の顔を見た。
気味の悪い笑みはそのままに
ゆっくりと私に手を振っていた。行ってらっしゃい、と。
目が回るような感覚と共に
身一つ残らず、私はガラスの中へと吸い込まれた。
「信じるものは救われる。おいらの言うこと理解して、承知しときゃよかったのにね」
笑顔はそのままの、そんな店主の声が聞こえた。
人を見た目で判断したのが悪かったのか、忠告を、挑発だと思ったのが悪かったのか。
もはや、私に解ることなどない。
せめてできること、それは
吸い込まれた後、私がどんな場所に行くのか、考えることだけだった。
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